東北芸術工科大学の見学
- 大橋保隆
- 2017年6月26日
- 読了時間: 3分
先週の土曜の晴天の中
山形県にある東北芸術工科大学の見学に伺いました。

目的は、新潟からこの大学に勉強に来ている、増田ひなたさんにお会いすると共に
この学校の工芸部門の教室を拝見すること。

先ずは、ひなたさんに合流して、学校内の見学に。
「愛がたりない
だからこの大学がある」
と掲げられております。
そして
設立の宣言。
いつも目のつく場所に学校の想いが掲げてあるのはとても必要だなと感じました。
意識をしていても、無意識にしても、その想いに触れることでしょう.


そして
美術科 工芸コースの金工科にも十か条。
九、作品のアイデアの最初のイメージを大切にする事は、今でも作り続ける時には大切なことと感じました。
作り続ける中で、どうしても易きに流れ易いもの、それを食い止めるのは、自分自身の心持ちしかありませんね。


私がつくる生活道具だと、これだけの道具があれば、どれだけの形がつくれるのだろうかと思いつつ、でも、若者の感性はまだまだこの道具では対応しきれないくらいに、まだまだ必要な道具が生まれてくるのだろうと、わくわくする空間でした。
若者の可能性と、自分自身の進んでいる道。
好きな事をしつづけるのは、おにぎり一つで一日を過ごすなどとゆう、我慢をすることも必要なこともあるかもしれませんが、その道が本当に好きだと思って、肚を据えられたら、どんなことでも楽しさに変えられるような気がします。
この場で学んだ人達の中で、「本当に」を見つけられる人が一人でも増えてくれたら嬉しいなと思います。

大学には、それを支える力がありますね。
学食のご飯も、お財布に優しい設定となっております。

食堂から見える能楽堂。
感性を養うことの大切さ。
私も、修業先に入ったばかりの頃は、よく週末になると高速バスに乗って、東京へ向かいました。
上野、竹橋、各百貨店と20年前はいろんな場所を巡った事を思い出しました。

こども芸術大学。
これもこの大学のひとつの特徴だと感じます。
子どもたちの感性を磨くと共に、そこから学ぶ大人達の感性も養われることでしょう。

大学裏の悠想の丘から眺める山形市内。
蒸し暑さの中、吹き上げてくる爽やかな風に包まれながら、鎚起銅器のこれからに想いを馳せました。
時代は変わり、生活の中で必要とされるものは変わるかもしれませんが、鎚起銅器や手仕事に求められるものや、そこから養われることは、必ず変わりが無いと。
その変わりのないことを伝える為に、この長い歴史の上の一節として、自分自身の想う鎚起銅器を作り続けてゆこうと、改めて思いました。
それを受け取ってくれる人が現れてくれるように、明日からも製作に励みたいと思います。